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小林研一郎（指揮）
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

1995年2月、小林は初めてチェコ･フィル定期を振り、大きな話題となりました。この当時チェコ･フィルにおいて絶対的権力をもっていたノイマンが、この録音と並行して行われたこのコンサートに訪れ、コンサート終了後楽員たちに「この小林こそが未来のチェコ・フィルに最も重要な指揮者の一人である」というコメントを残したエピソードもあり、同楽団の新たな方向性を打ち出した一ページの記録です。スコア上の音符を一つも逃さず緻密に分析されている上に、概してゆったりしたテンポを取り、表情豊かな音脈、祈るようなピアニッシシモのエスプレッシーヴォ、波打つような弦楽器群の表現力をたっぷりと聴かせます。小林のシベリウスに対する感性、まさに「オーケストラが歌う」響きが広がります。

1995年2月22-25日　
プラハ「芸術家の家」ドヴォルザーク・ホールにて収録