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小林研一郎（指揮）
ハンガリー国立交響楽団

現在、人気絶頂を迎えている小林研一郎のレコード史の原点とも言えるのが「幻想交響曲」です。このアルバムを皮切りにクラシックレコード界に次々に名盤を産み出すこととなった記念碑的アルバム。
より客観的なチェコ・フィル盤と一線を画す情熱的な演奏解釈は、今なおコバケンの「幻想」のベストと推すファンも多く、再発売が期待されていました。ベルリオーズの狂気に近い情熱を、ほの暗い燻し銀のオケ、ハンガリー国立フィルとともに表現しています。
特に4楽章の全合奏では、音楽を破綻寸前にまで追い込み、ギラギラとした表現力が異常な熱を伴って聴き手を揺さぶります。
5楽章もほぼ同様ながら、最終コーダの主題をトランペットに吹かせるという離れ業も繰り出し、その演奏効果は抜群です。この解釈は、後の日本フィル、チェコ・フィル盤では味わえない興奮をもたらします。久々の来日となるハンガリー国立フィルですが、ハンガリーの首都ブダペストには「コバヤシストリート」という道まで存在するほど、圧倒的な知名度と尊敬を集めるマエストロ・コバヤシ。あの幻の名盤がHYBRID盤で蘇ります。

1990年11月 ブタベスト･コングレス･ホールにて収録